2011年11月15日火曜日

米・イスラエル・NATOを非難

キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(85)は11月13日、新聞コラム「省察」で、欧米イスラエルの対イラン圧力で緊迫化している中東危機について論評し、戦争勃発の危険性を警告した。

       一つ、イランが侵略されれば、同国の戦闘能力、人口の大きさ、国土の広さから、血みどろの戦いが起きるだろう。それはイスラエルが、1981年、2007年にそれぞれイラクとシリアの原子炉を爆撃して破壊した時の冒険主義とは比較にならない甚大さを伴うはずだ。

       一つ、イスラエルは核保有国であることを認めないが、200~500発を保有していると見なされている。核を保有しているからこそイスラエルは、帝国主義と植民地主義の道具としての役割を中東で果たすことが可能になっている。

       一つ、今、懸っているのは、中東の人々が自由で平和に生きる正当な権利であって、イスラエル人のそれではない。

       一つ、国連と国際原子力機関(IAEA)は、イスラエルが米国とNATOの支援を得て冒険した事実を知っている。イスラエルが今またイランを攻撃しようと意図しても、不思議はない。

       一つ、いかなる国も核兵器を保有してはならない。原子力は平和利用だけに供されねばならない。この精神がなければ、人類は容赦なく自滅に追い込まれるだろう。

(2011年11月15日 伊高浩昭)