2011年12月4日日曜日

ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体発足

★☆★★☆米州35カ国のうち米国とカナダの北米両国が入れないラ米・カリブ(LAC=ラック)地域33カ国がつくる「ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラーックと発音)」が12月3日発足した。

   前日からカラカスで開かれていた第3回LAC首脳会議は3日、「カラカス宣言」などを採択し、CELAC設立にこぎつけた。

   LACは史上初めて、米国の加盟できない一大機構を自らのものにした。その意義は大きい。

   CELACは、米国とカナダが入り、キューバが復帰を拒否している既存の米州諸国機構(OEA=オエア、英語ではOAS)と今後併存することになる。米国がLAC支配の道具としてきたOEAと、誕生したばかりのCELACがどのような関係になるのか、現時点では判然としない。

   第3回LAC首脳会議は、議決方法を全会一致か、多数決かを決めることができなかった。当面は全会一致の合意方式で進み、来年チリで開かれる第2回CELAC首脳会議以降に決定は委ねられた。

   第3回LAC首脳会議は「カラカス宣言」をもって、第1回CELAC首脳会議に移行した。CELAC設立時の首脳会議の議長を務めたベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、シモン・ボリーバルの「大なる共通の祖国」の理想を具現化する第一歩となるCELAC設立の大役を果たした。

   CELACの初代議長(輪番制)には、次回開催国チリのセバスティアン・ピニェーラ大統領が就任した。第3回CELAC首脳会議は2013年キューバで、第4回は14年コスタ・リカで開かれる。

   米国務省は3日までの時点で、CELACを「米州の数ある多国間組織の一つ」と見なすことで、CELACを矮小化する発言をしている。

(2011年12月4日 伊高浩昭執筆、続報あり)