2012年1月12日木曜日

ハイチ大地震から丸2年

▽▼▽2010年2月12日、首都ポルトープランスをはじめハイチを見舞ったM7の大地震から2年経った。地震では22万5000人が死亡した。大統領政庁など8万の建物が倒壊した。その瓦礫は半分しか片付いていない。

     市民52万人が依然、756か所の野営地で仮住まいを強いられている。

     ミシェル・マルテリ大統領は、1000万人の人口のうち800万人に電気がないこと、420万人の労働人口のうち正規労働に就いているのは20万人しかいないこと、また読み書きできない者が500万人いることを明らかにした。

     富の偏在と貧富格差が激しく、人口のわずか2%が国富の69%を握っている。人口の80%が1日2米ドルで暮らしている。45%は日々の食事にも困っている。

     大学卒業者の84%は外国に住み、人材不足が著しい。そこで、外国のNGOが入ってきて幅を利かせることになる。

     日々生き延びるために売春を余儀なくされている未成年女性が数多い。

     2010年10月以降、コレラが流行し、52万人が感染し、7000人が死亡した。臨国ドミニカ共和国(RD)に伝染し、2万1000人が感染、360人が死亡した。

     国際社会から寄せられた援助資金の多くは、外国NGO、外国政府機関、外国企業に入り、ハイチ政府・機関にはほんの一部しか入らない。

     政府当局者は12日、「再建が語られてきたが結果が出ていない。嘆かわしい。別の方法で再建すべきだ」と述べ、ハイチ政府に再建政策の主導権を渡すよう暗に要求した。

     市民集団がこの日、「MINUSTAH(国連ハイチ安定化部隊)くたばれ! 被災者に正義と救援を!」をスローガンに、抗議行動をした。「ハイチ人権機構綱領(POHDH)」のアントナル・モルティメー事務局長は、「被災者の再建政策への参画を求め、クリントンに象徴される帝国主義者の政策を拒否するための行動」と説明した。

     国連ハイチ安定化部は、19カ国の兵士8915人、50カ国の警察官3637人、外国民間人572人、地元民間人1345人、国連ボランティア238人。主力は、兵士2200人を送り込んでいるブラジルだ。同国のジルマ・ルセフ大統領は2月初め、ハイチを訪れる。

     隣国RDは、国境に近いハイチ領内に「ロイ・アンリ・クリストフ大学」を建ててハイチに贈った。マルテリ大統領は開学式を挙行した。地震2周年記念式典には、閣僚、国会議員、ジャンクロード・デュバリエ元独裁政権大統領、ビル・クリントン国連ハイチ特使(元米大統領)らが出席した。

     マルテリは、カラカスに本社を置くラ米多国籍テレビ放送テレスールを通じて、大規模な医療団を長期間派遣したキューバと、膨大な支援物資を送ったベネズエラに感謝した。