2012年2月20日月曜日

【続報】 エクアドール大統領が「名誉棄損」裁判に勝つ

★★★「市民革命」を掲げるエクアドールのラファエル・コレア大統領は、先月半ば、施政5年を経た。依然支持率は高く、来年1月の大統領選挙での新たな勝利が有望だ。しかし「革命度が落ちた」との批判が高まっており、左右両翼は対抗馬を立てる構えだ。

コレアは、伝統的支配階層の立場を代弁する保守紙を敵視し、裁判を通じて厳しい制裁措置を科している。大手紙エル・ウニベルソを「名誉棄損」で訴え、その裁判は最高裁に持ち込まれていたが、2月15日、判決があった。

下級審は、同紙の編集主幹カルロス・ペレスら重役3人と、意見面編集者エミリオ・パラシオに禁錮3年の実刑と、計4200万ドルの罰金の支払いを科していた。この判決は最高裁判決で確定した。

パラシオは、コレアを攻撃する挑発的な署名記事を書いて、名誉棄損で断罪された。既に去年8月出国し、マイアミに滞在中で、米国への亡命を申請中だ。

ペレスも、2月16日、キトのパナマ大使館に亡命した。他の2人の重役はペレスの兄弟で、既に米国に去っている。

エクアドールをはじめラ米では、「名誉棄損」か「言論弾圧」かで議論が起きている。

一つ言えるのは、言論人が誹謗中傷と受け取られかねない記事を書き、追及されると、多くが簡単に<聖域・米国>に逃げ去ってしまうという安易さだ。これでは、あたかも言論人と米国がつるんでいるような印象を与えてしまう。ラ米の言論人がそのようであるとすれば、ラ米の自立は覚束ない。

【続報】コレア大統領は2月27日、最高裁判決で禁錮刑と罰金刑が確定していたエル・ウニベルソ紙の4人を赦免する、と発表した。また、コレアの実兄の絡んだ<不正受注事件>を指摘した『エル・グラン・エルマーノ(偉大な兄弟)』の著者2人に対する告訴を取り下げた。


[参考:月刊「LATINA」3月号(2月20日刊)掲載「ラ米乱反射第73回『国家は復権したが、「新開発主義」が大資本潤すーエクアドール「市民革命」の変質に批判』]