2012年4月17日火曜日

米州首脳会議終わる

▼▽▼コロンビアのカルタヘーナで4月14日開会した第6回米州首脳会議は、15日閉会した。キューバ参加問題で全会一致の合意が成らなかったことなどから、最終宣言は策定されなかった。

▽会議は、貧困対策、治安・組織犯罪、情報技術獲得、社会基礎構造統合、天災対策の5つの議題を基に開かれた。だが中心を占めたのは、2015年にパナマで開催予定の次回首脳会議にキューバを招くか否かという問題だった。

▼会議は、6月リオデジャネイロ開催予定の「リオ+20首脳会議」支援、麻薬マフィアなどの組織犯罪対策の練り直し、10月コロンビア開催予定の「第6回米州競争力フォーラム」支援、に関する共同声明を採択した。

▽アルゼンチンのCFK大統領は15日、閉会式を待たずに帰国の途に就いた。マルビーナス諸島領有権を主張する同国の立場への公式な支持表明が会議でなされなかったことから、不快感を示すためと見られている。ボリビアのエボ・モラレス大統領も閉会式前にコロンビアを離れたが、これはキューバとアルゼンチンに連帯するため、とされている。

▼今会議で目立ったのは、米国の影響力の衰退が進み、止まらなくなっていることだ。米政府の対キューバ冷戦継続、中国のラ米への進出拡大、BRICSを組むブラジルの存在拡大、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラック)発足などが原因だ。

▽今会議では、キューバやマルビーナス問題の討議で、米加北米両国とCELAC諸国の意見が割れた。バラク・オバマ米大統領は批判の矢面に立たされたもようだが、それを予測して会議の討論は一切非公開とされた。11月の選挙で再選を狙うオバマの立場を慮(おもんぱか)ってのことだ。

▼CELACができたいま、このような状態が続くなら次回会議は意味がない、との意見が、ラ米諸国から出ている。