2012年5月1日火曜日

ベネズエラで新労働法公布

☆★☆ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は4月30日、新しい労働組織法に署名した。官報掲載をもって発効する。経営者側に有利だった1936年制定の旧労働法に代わるもので、労働者にかなり有利になっている。

★労働者は1200回の会合を全国で開いて討議し、2万件の要望をまとめた。その9割方が法案に盛り込まれたという。

☆新法は、妊婦に産前6週間、産後20週間の産児有給休暇を保障している。従来週44時間だった労働時間は40時間(週休2日制)が義務付けられた。乳児を持つ父母の解雇は、出産から2年間禁止される。労働者への「社会融資基金」が設立される。

★財界や、財界の大統領候補エンリケ・カプリレスは、新法に猛反発し、「チャベスの集票作戦だ」と非難している。だが労働者はメイデーで、新法とチャベスへの支持を打ち出す。

☆そのチャベスは30日、またもハバナに向かった。2月の癌再発手術後5回目のハバナ行きで、放射線治療を受けるためだ。チャベスは出発前に、神に癌克服の「奇蹟」を願った。

★チャベスまた、この日、米州人権委員会(CIDH=シダーチェ)から脱退すると発表し、国家評議会に諮問するよう求めた。諮問を待って、正式に脱退するもよう。

☆CIDHは米州諸国機構(OEA=オエア、OAS)の機関で、ワシントンに置かれている。チャベスはかねがね、米国および保守・右翼路線の意向を代弁していると同委を非難していた。「CIDHを最初に無視した国は米国だが、CIDHはワシントンにある」と、皮肉を込めて批判している。

★大統領選挙が迫りつつある昨今、同委がベネズエラの人権批判をしていることから、チャベス派はCIDHを「カプリレス支援の狙いが明白」と非難していた。