2012年6月27日水曜日

中国がラテンアメリカ政策を打ち出す

▼▼▼中国の温家宝首相は6月26日、チリの首都サンティアゴにある国連ラ米経済委員会(CEPAL=セパル)で、「中国・LAC(ラック=ラ米・カリブ):グローバル経済の新たな挑戦を受けての対話と協力」と題する文書を公表し、包括的なラ米政策を打ち出した。要点は次のとおり。

▼中国とラ米の協力関係について話し合うための「高級フォーラム」をつくる。ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラック、昨年12月発足、33カ国加盟)のトロイカ(輪番制3国)外相と中国外相の会合を設置し、定例化させる。

▼中国はLAC工業化支援資金として基金を設立し、まず50億ドルを供出する。

▼他に、中国銀行を通じて協力資金100億ドルを融資する。

▼LAC諸国との定期首脳会合を設けたい。

▼将来、LACとの貿易総額を4000億ドルに拡大させたい。

▽温首相は25日にはブエノスアイレスで、南部共同市場(メルコスール)のアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイの加盟3国大統領とビデオ会議を開き、以下のような対メルコスール政策を明らかにしている。

▽中国は信頼醸成と戦略的コミュニケーションの強化を図るため、定例外相会議を設置したい。

▽実利的関係の強化を図る。2016年までにメルコスールとの貿易総額を2000億ドルまで引き上げる。相互投資・融資を増やす。自由貿易地域を設定する。人的交流を拡大する。

▽加盟国パラグアイは、22日の<国会クーデター>でフェルナンド・ルーゴ大統領を解任したため、ビデオ会談から外された。これは中国にとっては誤算だった。

▽温首相はリオデジャネイロでの「リオ+20」会議に出席し、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンを訪問してからチリを訪れた。