2012年9月12日水曜日

ベネズエラが米州人権条約脱退を通告

★☆★ベネズエラ政府は9月10日、米州諸国機構(OEA=オエア、本部ワシントン)事務総長に対し、米州人権条約からの脱退を通告した。これにより、ベネズエラは、米州人権委員会(CIDH=シダーチェ、ワシントン)、および米州人権裁判所(CorteIDH、サンホセ)から脱退することになる。

★条約規定により、通告から1年後に脱退は成立する。ベネズエラは同条約に1969年加盟し、77年に批准していた。

★ワシントンを本拠とするOEAとCIDHは、米政府の強い影響下にある。また親米派のコスタ・リカの首都にあるCorteIDHも、米国の影響力と無縁ではない。

★米国と冷戦状態にあるウーゴ・チャベス大統領は、「米政府の差し金によるCIDHの内政干渉」をしばしば非難してきた。

★チャベスは11日、脱退通告について、「十分な根拠がある。CIDHは、司法の追及を逃れたベネズエラのテロリストを支援してきただけだ」と糾弾した。これは反カストロ派キューバ人で、ベネズエラ国籍を取得したルイス・ポサーダ=カリレスを指す。

★ポサーダは、1976年のキューバ航空旅客機空中爆破事件の主犯だが、責任を問われないまま、米当局の保護観察下で、マイアミで暮らしている。