2012年10月5日金曜日

ホンジュラス政変後の人道犯罪の報告書発表


★☆★☆★国際民間組織「真実委員会」は10月3日、オンドゥーラス(HON=ホンジュラス)で09年6月起きた軍民クーデターから去年8月までに同国内で発生した人道犯罪について報告書を発表し、被害者に賠償し、加害者を断罪するよう訴えた。

★委員会は、在米エクアドール人修道女エルシー・モンヘを委員長とし、09年に設置された。
1966の証言を基に、殺人58、強制失踪3、拷問84、強姦11、拉致11を含む5000件の人道犯罪を記録した。

★報告書によると、犯行の30%に国軍、44%に警察が、それぞれ関与した。事件の66%は、首都テグシガルパで発生した。また事件の60%は、クーデター以後半年の間に起きた。その間、政権にあったロベルト・ミチェレッティ暫定大統領(主要なクーデター首謀者)の責任とされている。報告書は、司法当局も「共犯」と指摘している。

★モンヘ委員長はこの日、報告書をポルフィリオ・ロボ大統領に渡してから、首都で記者会見した。ロボ政権発足時の2010年1月になされた「恩赦」を、無処罰政策の象徴だと糾弾し、恩赦無効化、責任者・黒幕の特定・逮捕・裁判・処罰、被害者・家族への賠償、国外亡命者の帰国などを急ぐよう、政府と世論に訴えた。

★委員長は、米政府が、クーデターと米国の関与に関する文書を公開したがらないことを批判し、公開するよう、あらためて要求した。

★委員会の委員には、亜国「五月広場の母たち」の会のノラ・コルティーニャス、亜国人ノーベル平和賞受賞者アドルフォ・ペレス=エスキベル、元エル・サルバドール(ES)最高裁判事ミルナ・ペルラ、HON人作家エレン・ウマーニャ、HON人司祭ファウスト・ミージャが名を連ねている。

★報告書の発表には、クーデターで追放されたマヌエル・セラヤ元大統領、被害者関係者らのほかに、メキシコ、ニカラグア、ES、エクアドール、ブラジルの大使館員が立ち会った。発表に合わせ、人道団体や被害者遺族など数百人がデモ行進した。

HON政府系の「真実・和解委員会」(委員長エドゥアルド・ステイン元グアテマラ副大統領)は去年半ば、人道犯罪84件を報告し、解散した。うち13件が調査対象になっただけ、と伝えられる。