2012年12月3日月曜日

「不正当選」を非難されたメキシコ大統領が就任


▼▽▼メキシコのエンリケ・ペニャ=ニエト新大統領(EPN、46)が12月1日就任した。任期は6年。7月1日の選挙で当選したが、6年がかりで大手テレビ会社と組んでの売名お手盛り報道作戦を展開し、投票日には大金をばらまいて大がかりな買票作戦を繰り広げたことから、不正選挙として内外で非難されていた。

EPNは制度的革命党(PRI)に所属する。PRIは2000年に政権を退いたが、12年ぶりの政権復帰となった。PRIは保守、右翼、民族主義、新自由主義などさまざまな傾向を持つ政党。

▼就任式は国会下院で行なわれ、大統領肩章がフェリーペ・カルデロン前大統領(PAN=国民行動党、財界・カトリック系右翼)から下院議長の手を経てEPNに渡された。

▼この後EPNは、首都中心街の大統領政庁中庭で就任演説をした。犯罪取り締まり、飢餓撲滅、教育制度改革、国内格差解消、歳出削減など13項目の「優先政策」を打ち出した。

▼市内のチャプルテペク城で晩餐会が催された。就任演説と晩餐会には来賓たちが出席した。ニカラグア、グアテマラ、オンドゥーラス(ホンジュラス)、コスタ・リーカ、コロンビア、ペルーの6カ国大統領、ベネズエラなど南米4カ国副大統領、キューバ副議長、米副大統領らが出席した。

▼メキシコ市内では、EPNの不正を糾弾する左翼政党、学生ら4000人が集会を開き、新政権に抗議した。デモ隊と警官隊の小競り合いで92人が逮捕され、105人が重軽傷を負った。主催者側は早くも、治安担当の新内相の更迭を要求した。