2013年1月17日木曜日

ベネズエラの絵本『道はみんなのもの』を読む


★☆★ベネズエラの原書を翻訳した児童向け絵本『道はみんなのもの』を読んだ。クルーサの文とモニカ・ドペルトの絵による優れた作品だ。この国の社会状況の一断面が興味深く描かれている。この一月に東京・新宿の「さ・え・ら書房」から刊行されたばかりだ。

★ベネズエラでの生活経験を持つ岡野富茂子、岡野恭介夫妻の共訳である。

★カラカスのバリオ(低所得者居住地区)の子供たちが、市役所や大人たちを動かし、自分たちの遊び場であり、誰にでも開かれた憩いの場である公園を造る話だ。

★訳者が指摘するように、現代日本の子供たちの都会での生き方に示唆を与える物語だ。
モニカの絵は魅力にあふれ、バリオの姿を見事に捉えている。

★ウーゴ・チャベス大統領は、バリオ住民の協力連帯精神を上手に引き出し、バリオの現代化に努め、これを重要な支持基盤にしてきた。