2013年5月14日火曜日

ブラジル真実委員会が「恩赦法」廃棄を検討


 ブラジル軍政時代の人道犯罪の実態を究明している「国家真実委員会(CNV)」の委員の一人パウロ・ピニェイロは5月13日サンパウロで、拷問者処罰を阻んでいる「恩赦法」を廃棄すべきだという勧告を委員会の最終報告書に盛り込みたい、と述べた。

 恩赦法は軍政末期のフィゲイレド政権期に制定された。「拷問者」は多くの場合、「殺害者」を意味し、恩赦法廃棄はゲリラなど政治囚を殺害した軍政当局の生存者を被告として裁くことにも繋がりうる。

 ピニェイロは、恩赦法廃棄問題は委員同士で話し合っているが、具体的には何も決まっていない、と語っている。

 CNVは昨年5月17日発足し、これまでに拷問被害者220人と加害容疑者61人から聞き取り調査した。まだ計250人が残っている。委員会の活動期間は2年間に限定されているが、期間延長を求める意見が高まりつつある。

 一方、ブラジル訪問中のヨハヒム・ガウク独大統領は13日サンパウロでジルマ・ルセフ大統領と会談し、「過去の不正義を解明しようと努めている」とCNVの活動を讃えた。