2013年6月12日水曜日

「無」に帰した なだいなだ


 なだいなだ(堀内秀)が6月6日死んだ。私の学生時代、自由な言論を縦横に展開していた「進歩的知識人」のひとりだった。氏の書いた文章をいろいろと読んだ。

 私が関心を持ったのは、この筆名だ。なだいなだ=ナダ・イ・ナダ=nada y nada

 何と、「無、そして無」という意味のスペイン語ではないか。第2外国語で西語を学んでいたため、すぐにわかった。

 このようなニヒリズムの語句を尊ぶ書き手とは、いったいどんな人物なのだろうか。ここから関心が始まった。

 83歳で「無」に帰した なだいなだ は、その文章を通じて懐かしい人だった。あと当時の「進歩的知識人」は、何人残っているのか。青春の炎は細くなっていくばかりだ。