2013年12月31日火曜日

「母国危篤につき新年挨拶は遠慮」-傑作喪中状の物語る悲劇


 「母国危篤につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます」――こんな「喪中案内状」が友人から届いた。「夜陰に紛れ(重大な悪法を成立させ)、母国に瀕死の重傷を負わせた」からだ。

 その張本人・安倍首相は今、世界中で総すかんを食らっている。中国政府は12月30日、安倍を「好ましからざる人物」(ペルソナ・ノン・グラタ)と見なし、首脳会談はありえないと強調した。独りよがりの靖国参拝で破壊されたものは計り知れない。

中国は日本文化の源流であり、現代経済の最重要の相手国ではないか。

安保が頼みの相手、米政府も「失望」を表明し、米有識者は、安倍の外交上の重大な失敗を指摘している。

 国益を損なう判断ができない者に、最高指導者の資格がないのは言うまでもない。即刻定数是正をして衆議院を解散、出直し総選挙をすべきだろう。

 愚かな極右国家主義に冒され、有権者の四分の一程度の「友だち世論」に酔い、取り返しのつかない孤立を招き、隣人たちの尊厳と、日本人の良心を傷つけた。許し難い。

 今の自由民主党は、反自由・反民主党だ。悪法は自由を抑圧し、国家主義は民主を痛めつける。とんでもない時代錯誤だ。

 「愛国心」を法律や命令で強制しようとし、教師と教育の自由を奪いつつある。日本が世界に稀なる真に自由で民主の国になれば、それを守り維持するため日本を愛さない日本人はいなくなる。さらに世界中の人々が、そのような日本に連帯し、日本に移住したくなるはずだ。

 こんな簡単な理屈がわからない連中が政府を牛耳っているのだ。日本人は不幸だ。

 石破がいいとは言わないが安倍を選んだ自民党党員も、絶対に選ばないが規則上、国会の多数決に従って悪い首相でも認めざるを得ない有権者もみな、不幸である。

 国際世論から厳しく批判され、孤立した日本。戦前のようだ。だが、もやは、ナチスドイツも、ファッショイタリアもない。完全に一人ぼっちなのだ。

 だから内弁慶になり、内向きの締め付けを厳しくするしかない。そんな国の首都で五輪大会をする価値があるのだろうか。

 ジャーナリスムも反省すべきだ。民主党の首相や実力者をたたきまくって極悪の政権を導いたのは、まさに新聞やテレビだった。悪法で言論の自由が狭められると、今になって安倍を批判しているが、メディアの多くは共犯だ。

 朝日は、米国や中国の公式な反応を1面トップに置くべきを、紙面編集の判断を誤った。今朝のトップはロシアのテロだが、トップは中国政府による「三行半」突きつけであるべきだった。ジャーナリズムよ、「マスコミ」に堕落するな。