2014年7月11日金曜日

プーチン露大統領が11日からラ米3国歴訪へ

 ロシアのウラディーミル・プーチン大統領は、11~16日の玖亜伯3国歴訪に先立ちモスクワでプレンサ・ラティーナ、イタル・タス両通信社のインタビューに応じた。

 11日のクーバ訪問については、東西冷戦終結後に失われた関係の回復を目指すとし、「政府間2012~20年経済・貿易・科学技術協力計画」に基づき関係強化を図る、と強調した。

 ロシアはこのほど対玖債権350億ドルを帳消しにしたが、残る35億ドルは、クーバの経済改革計画に沿って投資すると明らかにした。当初は、クーバが10年間で返済する、とされていた。

 プーチンはまた、近い将来、メキシコ湾のクーバ経済水域内での海底油田開発に参加すると語った。

 12日に訪問するアルヘンティーナに関しては、09年調印の「戦略的協力関係確立のための行動計画」に沿って関係を深めたいと述べ、原子力エネルギー分野での協力を例に挙げた。

 また、亜国がBRICSに加盟するのを望むとし、BRICSと亜国が戦略的協力関係を結ぶのは確かだ、と予測した。

 最後の訪問国ブラジルについては、特に米州における対伯関係強化は重要で、ブラジルの国連安保理常任理事国入りを支持する、と述べた。またBRICSは多元的世界促進を目指しており、とりわけ米国の影響力に対峙する意味がある、と指摘した。

 大統領は13日、W杯決勝戦を観戦し、15~16日フォルタレーザ市で開かれるBRICS首脳会議に出席する。プーチンは、BRICSが、北京に本部を置く開発基金(銀行)を設立すると明らかにした。

 インタビューの冒頭、大統領は、メヒコ壁画運動、亜国タンゴ、ペルー歌謡「コンドルは飛んでゆく」、パブロ・ネルーダの詩、ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説、オスカル・ニーマイヤーの建築を挙げて、ラ米文化の豊かさを讃えた。

 また、シモン・ボリーバル、ホセ・マルティ、エルネスト・チェ・ゲバーラ、サルバドール・アジェンデの名を挙げて、ラ米政治の流れに触れた。

 さらに、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)、南米諸国連合(ウナスール)、南部共同市場(メルコスール)、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)、カリブ共同体・共同市場(カリコム)、中米統合機構(SICA)、太平洋同盟(AP)などのラ米・カリブ地域の広域組織との関係を拡大する用意がある、と述べた。