2014年7月9日水曜日

ニカラグア運河は総延長278km、20年1月開通へ

 「ニカラグア大運河」の建設を請け負っている香港ニカラグア運河開発投資有限公司(HKND、王靖=ワンジン=社長)は7月7日、マナグアで建設経路や通航開始予定について発表した。

 経路は、当初6つあったうちの東西に走る」「第4ルート」と呼ばれるもの。太平洋岸のブリート川河口のりバスから3段階の閘門式運河を経て、大ニカラグア湖(別名コシボルカ湖、水面面積8624平方km)の南部105kmを横断する。

 トゥーレ川に入り、建設される人造湖アトランタを通り、プンタゴルダ川と、3段階の閘門式運河を経て、同川河口のプンタアギラ港からカリブ海に出る。総延長は、湖水通過部分も含め278km。79kmのパナマ運河の3倍半。

 通航には30時間かかる。10時間程度のパナマ運河の3倍。

 今年末に着工し、2019年12月に完成、20年1月に通航開始となる。総工費は400億ドル。HKNDは4月、世界銀行に融資を要請したが、広く国際社会にも投資を呼び掛けている。

 運河の深さは平均27・6~30m。幅は230~520m。閘門水路の大きさは、現在工事中のパナマ運河第3水路の長さ427m、幅55m、深さ18・3mよりも規模が大きくなる見通し。閘門水路の規模で競争力が違ってくる。

 年間大型船舶5100隻の通航を見込んでいる。40万トン級穀物輸送船、32万トンタンカーなどが通航可能となる。世界海運の5%を担う計画。

 運河に沿って自動車道を建設する。太平洋岸には自由貿易地域、国際空港、観光複合施設を造る。両側江口の港は深港に
改修される。また運河建設に備えて、発電所、鉄鋼工場、セメント工場を建設する。

 運河建設が環境に及ぼす影響についての調査は継続中。近く、結果を報告する。国内には依然、反対世論が根強い。

 運河建設計画は昨年6月に正式に決まった。ダニエル・オルテガ大統領は今年初め、大統領連続再選を無制限とする改憲を達成しており、運河開通時にも政権にあって、歴史に名前を刻み込みたい考えだ。