2014年12月11日木曜日

ブラジル真実委員会が軍政期の人道犯罪で報告書提出

 ブラジルの国家真実委員会(CNV)は12月10日、軍政時代の人道犯罪に関する最終報告書を政府に提出した。

 報告書は4328ページ。1964~85年の軍政期には434人が殺害、強制失踪の被害者となった。うち210人は不明のまま、190人は殺害され、33人は他殺体として発見された。

 拷問、殺害など犯罪の直接の責任者は軍、警察、民間人ら計377人。カステロ=ブランコ、コスタ=イ=シルヴァ、ガラスタズ=メヂチ、ガイゼル、フィゲイレドの5人の将軍大統領も含まれている。

 軍政期の1979年に恩赦法が成立し、責任者は処罰されない。それゆえに犯罪加担者もCNVで証言した。

 弁護士会は2010年、恩赦法は違憲として訴えた。だが最高裁は合憲と判断した。

 犯罪責任者、被害者の特定は、公式文書、当事者証言に基づいて行なわれ、伝聞や状況証拠は排除された。責任者と被害者の実名が報告書に盛り込まれている。

 ヂウマ・ルセフ現大統領は2012年5月CNVを設置した。大統領は若い日にゲリラ組織に参加し捕えられて拷問された被害者。

 ルセフは報告書について10日演説したが、「被害者」という言葉を使った際、感極まって声が詰まった。聴衆全員が起立して拍手し、大統領を励ました。