2014年12月25日木曜日

ベネズエラの「経済戦争」は2015年も続く

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は12月24日、今年を振り返って、人民勢力が極右勢力による街頭暴力と
憎悪を抑え込んだ、と強調し、2015年も「経済戦争」が続く、と述べた。

 この国の経済は、経済の命綱である原油の国際価格が9月以降下がり続け、現在1b=50d台前半。かつての1b=100dの半分近くになった。来年の国家予算歳出は1b=60dで組まれている。インフレは60%に達し、庶民は生活苦を訴えている。国内総生産(GDP)は18%減ったとの見方がある。

 コロンビアなど国境を接する国々に一日10万bの原油が密輸で流出しているのも打撃だ。年間30億dの損出になる。政府は国軍を動員して、密輸を取り締まっている。

 通貨ボリーバル(bf)と米ドルとの交換率が3通りあるのも問題だ。食糧、薬品など必需重要物資を輸入するための優遇交換率は1d=6・3bf、SICADと呼ばれる第2の固定率は1d=11bf、第3の変動率は1d=約50bf。

 食糧などの輸入業者が優遇率で安くドルを買い、輸入せずにドルを国外の銀行に貯蓄するという不正が横行しており、一大問題になっている。この種の外貨不正流出は2000億dに及ぶとされる。政府は、15年前半に1d=30~40bfに一本化することを検討中。