2015年1月24日土曜日

対米交渉直後のキューバがラ米重視姿勢を示す

 クーバのラウール・カストロ国家評議会議長は1月23日ハバナで、ウルグアイのラウール・センディッチ副大統領と会談した。ミゲル・ディアスカネル第1副議長、ブルーノ・ロドリゲス外相も出席した。センディッチはまた、クーバ共産党のホセ=ラモーン・バラゲール国際局長と別途会談した。

 センディッチは、ウルグアイの旧都市ゲリラ組織「トゥパマロス・民族解放運動(MLN)」を率いた故ラウール・センディッチの息子。

 クーバ側のセンディッチに対する外交上の破格の待遇は、対米国交正常化に踏み切ったクーバが、従来にも増してラ米との関係を重視していることを内外に示す狙いを持つ。

 この日、米マスターカードが3月1日からクーバで使用できることになった。アメリカンエクスプレス社はクーバ進出を検討中。

 玖米交渉の米首席代表ロベルタ・ジェイコブソンは23日、ハバナでクーバ反体制派の7人、反体制ブロゲラ(ブログ発信者)ヨアニ・サンチェス、ハバナ大司教・枢機卿ハイメ・オルテガと、それぞれ別途会談した。この後、記者会見し、人権は米国の中心議題だ、と述べた。

 同首席はまた、大使館開設には「数か月かかりそうだ。近くクーバ側と次回交渉の日程を決める」とも語った。4月パナマで第7回米州首脳会議が開かれる際、初の玖米首脳会談が開かれる見通しだが、大使館はその前に開設されると見られている。

 一方、ハバナ大司教区機関誌「自由の言葉」は22日、「対米関係正常化には時間がかかる。だが長い麻痺状態は終わった。我々は長年の対立で傷ついている。その痛みは誰も同じだ。敵の亡霊をでっちあげようとしている者が依然いるが、前を向こう」と呼び掛けた。