2015年4月7日火曜日

オバマ米大統領がカリブ・中米でベネズエラ疎外工作

 バラク・オバーマ米大統領は4月8日夜ジャマイカ入りし、 9日、同国のポーシア・シンプソンミラー首相と会談する。次いで、キングストンに終結するカリブ共同体(カリコム)加盟校首脳陣と会合する。

 この会合でオバーマは、原油供給を現在ベネスエラを盟主とするカリブ石油連帯機構(ペトロカリーベ)に依存しているカリブ諸国に、米国が主導し米加墨(TLCAN・NAFTA)と民間企業が原油などを供給する「カリブエネルギー安保」の枠組みに移るよう勧誘するもよう。

 オバーマは9日にはパナマで、中米統合機構(SICA)加盟国首脳陣と会合し、同様の働き掛けをする。

 パナマ市では10、11日、第7回米州首脳会議が開かれる。オバーマが3月9日ベネスエラを「米国にとって脅威」と位置づけ、外交的圧力をかけたことから、南米諸国を中心に内政干渉として糾弾する反オバーマ機運が高まり、米政府は首脳会議がオバーマ糾弾の場になること警戒してきた。

 オバーマには、米州首脳会議に先立ち、米国に近く米国の影響力が依然残っているカリブと中米の国々の首脳陣と会合し、パナマ会議を米国に有利な場に変えたい思惑がある。

 米国としては、ベネスエラが盟主の政経連帯機構「米州ボリバリアーナ同盟」(ALBA)を、ペトロカリーベと併せて弱体化させたいところだ。

 オバーマのベネスエラへの「3月圧力」は、対玖国交正常化で大量得点を稼いだオバーマが調子に乗って犯したラ米外交上の大きな失点、と国際社会で見なされている。

 一方、ベネスエラのエクトル・ロドリゲス教育相は6日、ベネスエラ人民は平等・公正・独立の祖国を建国する決意を固めていると述べ、米国の帝国主義的意図に対し結束しなければならないと強調した。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は、オバーマに「3月圧力」を撤回させるための「1000万人署名」
運動を展開中。署名はパナマでの米州首脳会議でオバーマに直接手渡すとしている。