2015年4月15日水曜日

ウルグアイの知識人エドゥアルド・ガレアーノ死去

 ウルグアイ人ジャーナリスト・作家のエドゥアルド・ガレアーノ(74)が4月13日、モンテビデオの病院で死去した。肺癌で闘病中だった。

 1960年、若くして『マルチャ(行進)』誌の編集者になり、前年のクーバ革命後の新しいラ米の状況をめぐって健筆をふるう。

 同紙は65年、チェ・ゲバラの『社会主義における新しい人間』を掲載した。

 1971年に代表作『ラ米の切り開かれた血管』を著し、これがベストセラーになって、一躍有名な作家となる。この本は『収奪された大地-ラ米500年』(大久保光夫訳、1986年、新評論)として日本でも出版されている。

 マドリーで亡命生活を送っていた亜国元大統領フアン=ドミンゴ・ペロンは、この本を読みガレアーノに興味を抱く。ガレアーノはマドリーに行き、ペロンに長時間インタビューした。

 73年6月ウルグウアイで軍事クーデターが起き、軍政から投獄され、出国を強制されて、ブエノスアイレスに出た。その後、ラ米や欧州を移動し、85年に帰国した。

 82年には三部作『火の記憶』を著す。この3巻は、飯島みどり訳でみすず書房から刊行されている。
 
 東西冷戦期と重なったラ米軍政の暗黒時代の証人と言うべき知識人が、また一人消えた。