2015年4月15日水曜日

オバマ米大統領がキューバの「テロ支援国家指定」解除勧告を議会に通告

 バラク・オバーマ米大統領は4月14日、クーバを「テロリズム支援国家指定」から解除することを勧告し、これを米議会に通告した。議会審議を経て45日後に発効する。

 クーバ外務省は「正しい決定だ」と評価したが、「そもそもクーバが指定されるべきではなかった」と強調した。

 外務省は、1959年の革命後、米政府による一連の対人テロ・破壊活動で、クーバ人3478人が殺され、2099人が障害者になった事実をあらためて指摘し、「指定」されるべきは米国だとのクーバの立場を暗に示した。

 クーバ政府によると、フィデル・カストロ前議長も600回を超える暗殺未遂事件に遭っている。

 この「指定」は、サンディニスタ革命政権のニカラグアに、反革命(コントラ)ゲリラを組織して攻め込ませていたレーガン米政権が1982年、クーバ揺さぶりのため、クーバのコロンビア革命軍(FARC)支援や、スペインの「バスク国と自由」(ETA)ゲリラを匿ったことなどを理由に指定、以来、更新されてきた。

 オバーマの指定解除勧告によって、米玖間で大使級外交関係が再開する可能性が従来より高まってきた。だが、経済封鎖により米市銀が在米・クーバ公館の口座開設を拒否している問題が依然未解決だ。

 また、米外交官が大使館開設後にクーバ国内で反革命勢力と接触し体制転換を画策する可能性を封じ込めるため、クーバが米外交官の移動を制限することを主張しているという問題もある。

 「指定」解除が発効し、それまでに銀行口座と移動制限の問題が決着すれば、6月にも大使級外交関係が再開される可能性があるとの観測がある。