2015年6月18日木曜日

キューバと米国の国交正常化合意から半年

 クーバと米国の最高首脳が昨年12月17日、国交正常化合意を発表してから半年経った。大使級国交は依然復活していない。問題は、大使館の役割および外交官の立ち振る舞い方をめぐり、双方の考え方が異なること。

 米国はハバナに開く大使館を、クーバ社会主義体制を平和裡に資本主義化するのを長期的目標とし、大使館に反体制派を迎え入れ、米外交官がクーバ全土を訪れて反体制派を組織するのを意図している。大使館員を100人は駐在させたい考えだ。

 これに対しクーバは、国際法遵守や内政不干渉を絶対的条件とし、米大使館と米大使館員が反体制派支援の役割を演じるのに激しく反対している。

 ワシントン駐在の玖外交官には、ハワイとアラスカを含む広大な米国全土をくまなく見回る必要はなく、財力もない。ワシントン駐在の外交官数も20人~30人を想定している。

 双方は1月以来4回、ハバナとワシントンで交渉を続けてきたが決着せず、その後は表立った第5回交渉はせずに話し合ってきた。ワシントン筋は、6月末までに対立点を片付け、7月初めには大使館開設に漕ぎ着ける、との見方を明らかにしている。

 米政界では、来年の次期大統領選挙への出馬を目指す民主、共和両党の候補者候補が大方出そろい、両党間および党内での激しいせめぎ合いが始まりつつある。

 クーバとの国交正常化に反対する保守・右翼勢力は米有権者の最大4割方。米玖両首脳ともに正常化が争点としてもみくちゃにされるのを避けたい考えだ。このため大使館を開き、その後、懸案を解決していくとの早道をとりたいところ。

 ハバナでは17日、玖・ラオス外相会談が開かれた。これがトップ級ニュースで、「対米合意半年」に関する動きは特になかった。

 ラウール・カストロ議長の妻、故ビルマ・エスピン玖女性連盟(FMC)議長についての本『自由の火』が16日、出版紹介された。