2015年7月17日金曜日

ブラジルのルーラ前大統領を検察が捜査

 ブラジル検察庁は、ルーラ前大統領が影響力を行使して、同国建設最大手オデブレヒト社に便宜を図ったか否かを捜査している。7月16日明らかにされたが、8日に捜査は開始されていた。ルーラに対する公的捜査は初めて。

 ブラジル国営の経済・社会開発銀行(BNDES)は同社の国外建設事業に融資しているが、その一部にルーラの影響力が物を言ったかどうかについて捜査されている。

 ルーラは政権を離れた後の2013年、クーバ、ドミニカ共和国、米国を歴訪したが、その費用はオデブレヒト社が負担したという。

 同社の社長マルセロ・オデブレヒト(46)は先月逮捕された。国営石油会社ペトロブラスの大事業は建設会社集団が巨額の賄賂を関係する国会議員らに支払って請け負っていた、と自供している。

 談合落札などによるペトロブラスの損出は21億ドルに上るとされる。1990年代初め汚職により大統領辞任に追い込まれたフェルナンド・コロル=デメロ上院議員も660万ドルの収賄容疑がかけられており、ブラジリアの邸宅が14日家宅捜査を受けた。