2015年10月10日土曜日

ブラジル大統領が「パラグアイ型の国会クーデター」を警戒

 ブラジルのヂウマ・ルセフ大統領は10月8日、新たに就任した閣僚たちとの会合で「野党はパラグアイ型のクーデターを狙っている。ブラジルは制度がしっかりしており、パラグアイとは違う」と述べた-そう報じられた。

 パラグアイの進歩主義の大統領フェルナンド・ルーゴは2012年6月、国会で多数派だった守旧派と右翼の議員らの陰謀で弾劾され、追放された。この「国会クーデター」を念頭に置いた発言だった。

 ブラジル国会には、ルセフ弾劾を推進する動きが進行し、激しい鬩ぎ合いが続いている。大規模な汚職事件を契機に表面化したさまざまな要因から、ルセフを追い落とし権力を奪回したいと目論む新自由主義勢力の声が大きくなっているのだ。

 だがパラグアイ政府はルセフ発言に怒った。エラディオ・ロイサガ外相はブラジル大使を外務省に呼び、「驚きと不快感」を表明、ルセフ発言の説明を求めた。ブラジリアでもパラグアイ大使が伯外務省に説明を求めた。

 当のルセフは9日コロンビアを初訪問し、JMサントス大統領と会談、共有する1645kmの国境一帯のアマゾニア(アマゾン川流域)での先住民保護、生物多様性について話し合い、投資、農業開発、小規模農家支援を含め協力協定と合意を結んだ。

 ルセフはサントスに、コロンビア内戦が終結に向かい始めた9月23日のハバナ合意を讃え、和平への支援を確認した。