2015年11月17日火曜日

「波路はるかに2015」第2回

~2015波路はるかに~第2回

 PBオーシャンドゥリーム号は明後日、タヒチのパペーテに着く。仏領ポリネシアの首都で、人口は18万人。タヒチ島の面積は東京都の半分弱。熱帯の猛暑が甲板を覆っている。

 船は、南回帰線と赤道の間を走っている。太陽と地球の緯度が重なっているため、太陽は南中しっぱなしで、人の影は足元に小さく丸くあるだけで、日中は影のない情景が醸し出される。因みに、に太陽の緯度は「赤緯」と言うらしい。

 船の侵入に平和を脅かされたトビウオの群れが、飛び逃げる。銀色の木の葉が紺碧の波の上を舞う。時折、海鳥が上空を過ぎる。島が、そう遠くない距離にあるのだろう。

 先日、疲れた黒色の海鳥が一羽、船で翼を休めていた。船は一晩に250kmも走る。運ばれた鳥は、帰るべき島から遠ざかってしまう。哀れ! だが鳥の生死は自然に任せるだけだ。助けてはいけない。野生なのだから。

 カヤオで出てから一連のラ米講座を終え、タヒチ講座に入っている。今日はタヒチとポール・ゴーギャンの関係を話した。明日は、タヒチ舞踊の先生ココさんと対談する。

 ラ米ではハイチ大統領選決戦に進出する2候補が決まった。亜国決戦は22日だ。12月6日にはベネスエラ国会議員選挙がある。風雲急を告げている。201501116 伊高浩昭