2015年12月18日金曜日

ブラジル最高裁が大統領弾劾の是非を上院に委ねる

 ブラジル最高裁は12月17日、国会下院のエドゥアルド・クーニャが今月初めに下したヂウマ・ルセフ大統領弾劾裁判手続き開始の決定を非合法として、手続き続行の是非は上院の決定に委ねることを6対3で決めた。

 大統領弾劾のような重要事項を下院だけで決めるのは正当ではない、と最高裁は判断している。

 最高裁はまた、クーニャ議長が選んだ野党下院議員ばかり65人の弾劾委員会を無効とした。さらに、上院が弾劾裁判開始を決めた場合でも大統領は180日間、職務を離れるだけでよい、とする判断を下した。

 ブラジルは間もなく年末年始休暇およびカルナヴァルの季節を迎えるため、上院の弾劾に関する審議はカルナヴァル明けの2月になると見られている。

 下院の弾劾手続き決定は、巨額の収賄容疑で窮地に陥っているクーニャ議長と、過去4回連続で大統領選挙に敗れた保守・右翼政党PSDB(伯民社党)が連携しての労働者党(PT)政権潰しの策謀と内外で受け止められている。