2015年12月19日土曜日

チリ元軍政高官に左翼青年抹殺で実刑判決

 チレ法廷は12月18日、大学生で左翼武闘組織「革命的左翼運動」(MIR)要員だったイスマエル・チャベス=ロボスを拉致、拷問し失踪させた元将軍セサル・マンリケスら元国家情報局(DINA)高官4人に禁錮13年の実刑判決を言い渡した。

 当時22歳だったチャベス青年はDINAに抹殺されながら、翌1975年、DINAが流した「MIRの内輪もめで要員119人が惨殺された」との偽りの情報の死亡者名簿に掲載されていた。

 DINAは、当時のピノチェー軍政に抵抗するMIR要員を「コロンボ作戦」で虐殺しながら、「内輪もめ」をでっちあげたわけだ。

 法廷は、他の39人に禁錮10年、31人に4年をそれぞれ言い渡した。また国家に対し、チャベスの遺族に賠償金1億5000万ペソ(約21万ドル)を支払うよう命じた。

 ピノチェー軍政期に3225人が殺害されたが、うち1192人は遺体が見つかっておらず「行方不明」扱いともなっている。