2015年12月28日月曜日

中国航空の北京・ハバナ直行便が運航開始

 北京とハバナを結ぶ中国航空B777一番機が12月27日、北京空港を離陸。給油などのため寄港するモントリオールを経由し、ハバナに向かった。飛行19時間半、ハバナには現地時間27日夜、到着した。

 中国航空は、このハバナ直行便を週往復3便運航する。昨年クーバを訪れた中国人旅行者は2万2000人。直行便開通で、その数が飛躍的に伸びるのが期待されている。

 LAC(ラ米・カリブ)諸国も、この便でやって来る中国人を迎えたいと方策を練っている。華人とその子孫合わせて250万人が住むペルーは、ハバナから脚を伸ばしてマチュピチュ遺跡などを観てほしいと望んでいる。

 一方、米国移住を願うクーバ人の出国が続いていて、うち8000人がコスタ・リカ(CR)、1000人がパナマで足止めを食らっており、中米で大問題になっている。CRは12月18日、このような「クーバ人経済難民」への査証発給を停止、不法入国した58人を追放した。

 クーバ難民が米国に陸路向かうには、CRの北にあるニカラグアに入国してからオンドゥーラスもしくはエル・サルバドールを経てグアテマラかベリーズを通ってメヒコに入るしかない。

 だがニカラグアが11月15日、入国を拒否、以来CRで難民が動けなくなり、CRに入れなくなった難民がパナマにもたまってしまった。グアテマラとベリーズも難民の入国・領内通過を拒否、難民問題はパナマからグアテマラまで中米全域の問題に発展した。

 中米諸国は28日グアテマラ市で打開のための会議を開く。ローマ法王フランシスコは27日、同会議に先立ち、人道主義的な立場から善処を呼び掛けた。

 グアテマラでは1月14日、ジミー・モラレス新大統領が就任する。新政権発足前に解決できるどうかに関心が集まっている。毎年数十万人の米国行き密航者が領内を通過しているメヒコは、静観している。

 クーバ政府は、米領に入域したクーバ人に定住権を与える「クーバ調整法」を米国が維持してるため難民が絶えないと非難、同法廃止を要求してきた。

 ニカラグアも、現在中米にいるクーバ難民9000人を米国が引き取るべきだと主張している。CRにいる難民の一部は、一人当たり1000ドルを支払ってニカラグアに密入国し、オンドゥーラス経由でグアテマラ方面に向かっている。