2016年1月8日金曜日

ベネズエラ政権党が国会決定無効化求め最高裁に提訴

 ベネスエラの政権党連合「大愛国軸」(GPP)は1月7日、国会で6日多数派の野党連合「民主連合会議」(MUD)が、当選資格を差し止めた最高裁の決定に反してMUD派3人を議員として宣誓させたのを受けて、最高裁に同3人の宣誓無効と、この宣誓を官報に記載しないよう求めて提訴した。

 MUDは国会定数167議席のうち109を占めており、3人を加えると112議席となり、定数の3分の2の絶対多数に達する。これに対し、国会で「ブロケ・パトゥリア」(祖国ブロック)を組むGPPは54議席で、1人は最高裁から当選資格を差し止められている。

 MUD派3人の宣誓を強行したのは5日就任したヘンリー・ラモス議長(民主行動党=AD=書記長)だが、カラカス市内にあるAD党本部に7日、爆発物が投げ込まれた。催涙弾のような物だったが、爆発しなかった。

 議長はまた、国会から解放者シモン・ボリーバルの肖像画と故ウーゴ・チャベス前大統領の写真を撤去したが、ブラディミロ・パドゥリーノ国防相は7日、チャベス廟のあるカラカス市内の旧モンターニャ兵営で国軍部隊を前に、ボリーバルとチャベスの肖像撤去は著しい冒涜であり、怒りを覚えると、ラモス議長の一方的決定を批判した。

 さらにニコラース・マドゥーロ大統領への「絶対的忠誠と無制限の支援」を表明した。その場には、大統領と閣僚らも出席していた。
政府と国会にねじれが生じて3日目、政府とMUDの対立は急激に先鋭化している。