2016年1月17日日曜日

エクアドルのラファエル・コレア大統領が施政9周年迎える

 エクアドールのラファエル・コレア大統領(52)は1月15日、政権担当9周年を迎えた。翌16日、グアヤキル市サマネス公園に支持者2万人を集めて実施された記念集会で大統領は、改革政策「市民革命」が成し遂げた最大の成果はエクアドール人に誇りと自信を与えたことだ、と強調した。

 昨年12月3日、国会で公職選挙に関する改憲が承認され、2021年の大統領選挙から同一人物の連続再選が無制限となった。これまで新憲法制定を挟んで3選されてきたコレアは「連続2選されてきた者は3選出馬できない」という改憲条項により、17年の次回選挙には出馬できない。

 この国の経済は最大輸出品目である原油の国際価格が1バレル=25ドルに落ち、通貨米ドルが高くなり輸出も減って低迷、財政状態は苦しい。16年度歳出は296億ドルで、原油価格を同35ドルと見積もって編成されているが、歳入が66億ドル不足しており、歳出削減を余儀なくされる見通しだ。融資の頼みの綱・中国の経済減速が響いており、対中債務110億ドルも重くのしかかっている。

 政権党・パイース同盟(AP)は11月の党内選挙でコレアの後継候補を決める。コレアはこれまでに、リカルド・パティーニョ外相、レニーン・モレーノ元副大統領、ホルヘ・グラス副大統領、ホセ・セラーノ内相の名前を挙げてきた。

 久々に政権奪回の機会を迎える伝統的支配勢力からは今のとろ、銀行家出身のギジェルモ・ラッソ、元大統領の息子ダロ(アブダラー)・ブカラムの二人が名乗りを上げている。

 コレアの支持基盤だった若者、女性、先住民、労働者らは次々に離反、その一部は保守・右翼勢力と結びついている。政権党は11月までに支持層を固め直し、後継者を選び、来年の選挙に臨もうとしている。