2016年2月10日水曜日

メキシコ人学生43人殺害の政府見解を外国調査団が否定

 メヒコ・ゲレロ州イグアラ市で2014年9月26日発生した教員養成学校生43人強制失踪事件を調査してきた亜国法人類学調査団(EAAF)は2月9日、43人は同市近郊コクーラ市内のごみ捨て場で殺害され燃やされたとする政府見解を「科学的に不可能」として否定した。

 43人もの死体を白骨化するまで燃やすには、強い火力を持つ大掛かりな焚火があったとしても長時間かかり、目撃者がいないわけがないのに、目撃者はいなかった、と調査団は指摘する。ごみ捨て場の様子から、科学的にも43人の遺体を燃やし尽くすのは困難と見ている。

 昨年9月、米州人権委員会(CIDH)の調査団も同じ見解を表明し、政府の結論を否定した。

 学生の家族らは、政府見解を「歴史的虚言」と非難してきた。ローマ法王フランシスコはメヒコを12~17日訪問するが、同家族らをミサに招待している。

 一方、8日未明、ベラクルース州オリサバ市内の自宅から就寝中に武装一味に拉致された女性記者らしい他殺体が9日、プエブラ州内で発見された。同州検察が発表した。

 この記者は、エル・ソル・デ・オリサバ紙で警察記事を担当していたアナベル・フローレス(32)で、2児の母。メヒコでは2000年以来、報道関係者88人が殺害されている。ベラクルース州は、記者にとって最も危険な州の一つだ。

 連邦警察は8日、先月11日ベラクルース州内で州警察に連行された若者5人のうち2人の遺骨が確認された、と発表した。5人は警官たちから組織犯罪団に引き渡され、殺されて農場に埋められた。

 身元が判明した2人の遺族は、その農場には100を超える人骨が埋められていた、と語っている。

 話は変わるが、コスタ・リカにいたクーバ人経済難民のうち113人が9日、空路、メヒコ北東部のタマウリパス州ヌエボラレードに到着、米テキサス州ラレードに向かった。