2016年4月28日木曜日

ドイツが元ナチ兵運営のチリ植民地に関する文書公開へ

 チレ軍政期に、強姦、未成年性的虐待、拷問、殺害、秘密警察訓練などが密かに行なわれていたドイツ人移住地に関するドイツ政府の機密文書の一部が4月26日、解除されることになった。

 ドイツ政府は同日、軍政期の1986年から90年の民政移管を経た96年までの同植民地「コロニア・ディグニダー」(尊厳ある植民地)に関する文書を近くチレ政府に引き渡すと発表した。

 この植民地は、首都サンティアゴ南方約350kmのパラル市近郊にあり、1万6000平方kmと広大で、アンデス山脈から太平洋岸に至るほどだ。戦後、ドイツから逃亡してきたナチ看護兵ポール・シャファーが建設した。

 シャファーは1973年9月11日、陸軍司令官アウグスト・ピノチェーらによるクーデターでアジェンデ社会主義政権が倒されると、軍部に植民地を使用させることにした。植民地は軍政に守られて治外法権となり、憲政と隆盛を謳歌した。

 だが、その陰で強姦、虐待や、軍政が拉致し送り込んだ左翼、労組指導者ら反軍政派を拷問し殺害していた。秘密警察は植民地で要員の訓練として人道犯罪を遂行していた。

 1990年3月の民政移管後、植民地住民が脱出、凄惨な内情を民政当局に通報した。シャファーは最終的に2005年、逃亡先のアルヘンティーナで逮捕、身柄を送還され、禁錮30年を言い渡されたが、受刑中の2010年死去した。

 ドイツ政府は、「文書は10年早めて解禁する。文書から、(軍政ばかりでなく)ドイツ外交官も植民地に対する必要な措置を講じなかった」と指摘している。1985年までの機密文書は既にドイツで開示されている。

 「尊厳」の名称とは裏腹に虐殺の場となった植民地の被害者遺族らは、シャファーの侍医だったハートムット・ホップ医師(ドイツ在住)を禁錮刑に処すよう要求している。

▼ラ米短信  ベネスエラ政府は4月26日、国家・地方公務員の出勤日を向こう2週間、月火両日だけとする、と発表した。節電のため。今月7日、金曜日が休みとされており、水木両日が加えたれた。25日からは、1日4時間の停電が制度的に実施されている。

 だが、この「週休5日制」は、保健、治安など不可欠な部門には適用されない。電力を水力発電に頼るベネスエラは、極度の雨不足でダムが干上がり、窮地に陥っている。