2016年7月5日火曜日

停職中のルセフ大統領もリオ五輪開会式に招待さる

 リオデジャネイロ五輪組織委員会は7月4日、停職中のヂウマ・ルセフ大統領を8月5日の開会式に招待することを決めた。主賓席の、ミシェル・テメル大統領代行と離れた席に座ることになる。

 この措置は、テメル代行の正統性に納得しない各国首脳が開会式を欠席するのを防ぐため、と解釈されている。テメルには収賄疑惑が浮上している。

 ルセフ大統領はこの日、ラジオ会見で、副大統領だったテメル代行を「裏切り者で権力奪取者」と糾弾した。また、「そのような人物が幹部であるブラジル民主運動党(PMDB)と連立したのが大きな間違いだった」と述べた。同党は3月連立を離脱、ルセフ弾劾を推進した。

 ルセフは別の会見で、「復権したら政治改革し、選挙で選ばれながら不当に失権した者を救済する」と語った。さらに、「非合法のテメル代行政権が廃棄した社会政策を復活させる」と強調した。

 また仏誌レクスプレスとの会見では、「次期大統領選挙の我々の候補はルーラ(前大統領)だ」と述べ、「今回のクーデターは人気の高いルーラの失権が狙いだった」と指摘した。

 ルセフ弾劾審理中の上院の調査委員会は6月半ば、弾劾理由となっている「粉飾決算」にルセフが関与した証拠はない、との結論に達している。7月4日には、ルセフ弁護団が無罪を主張する弁論を展開した。

 ★上院議長レナーン・カリェイロスは6月末、ルセフ弾劾判決は、8月21日に閉会するリオ五輪後の同月25~27日になると明らかにした。カリェイロスにも収賄の疑いがかけられている。

 テメル政権は6月半ば、ルセフが国内移動に空軍機を使用する権限を、首都ブラジリアと自宅のあるポルトアレーグレ市間に限定した。これに対しルセフ支持者は一日で10万ドルを集め、ルセフの移動費とした。