2016年8月16日火曜日

オダギリジョー主演の日本キューバ合作映画が撮影開始

 ボリビアでエルネスト・チェ・ゲバラのゲリラ部隊「ボリビア民族解放軍」(ELN-B)の一員として戦い1967年8月31日死んだ日系2世のボリビア人医師フレディ・マエムラ(前村)を主人公とする日本クーバ合作の映画「エルネスト」の撮影が日本で始まる。

 8月15日、チェ・ゲバラ役など俳優3人、監督補佐、プロデューサー、化粧係の計6人のクーバ人チームが来日した。一行は、阪本順治監督の下、広島市の原爆記念公園で撮影を開始する。ゲバラが1959年7月、広島を訪れた事実に基づく場面だ。

 日本での撮影は8月末に終了。撮影はクーバに移る。フレディ役の主演オダギリジョーは15日ハバナに向かい、現地での役作りと撮影の準備に入った。台詞はすべてスペイン語。画面には日本語の字幕がつく。

 来年10月9日は、ゲバラ歿後50周年。この時期に合わせて公開される。

 この映画の基には、フレディの実姉マリー・マエムラ(故人)が夫(故人)とともに取材してまとめた原稿を2007年、マリーと、その息子エクトルが完成させたフレディの伝記がある。

 その訳書が2009年8月、東京の長崎出版から『革命の侍』(伊高浩昭監修、松枝愛訳)として刊行された。これを阪本監督が読み、映画化を決めた。

 この日(15日)、到着した一行6人を迎えての歓迎晩餐会が新宿で催された。1968~69年の日玖合作映画「キューバの恋人」(黒木和雄監督、津川雅彦主演)以来47年ぶりの両国合作映画であり、クーバ側も張り切っており、その意気込みを語っていた。

 映画の題名「エルネスト」は、本職が医師だったゲバラの名前であると同時に、ゲバラが同じ医師フレディに付けた戦士名だった。フレディは「エル・メディコ」(医師)とも呼ばれていた。