2016年9月20日火曜日

日本が首相訪問前に対キューバ債権1200億円を放棄

 日本政府は安倍首相のクーバ訪問に先立つ9月19日、対玖公的債務1800億円のうちの1200億円(約11億6500万ドル)を帳消しにした。ハバナでの同合意書には、リカルド・カブリーサス副首相兼経済・企画相(元駐日大使)と渡辺優駐玖大使が署名した。

 日本も加盟する債権国グループ、パリクラブは昨年12月、対玖債権110億ドルのうち利子分を免除し、元本26億ドルをクーバが返済することで合意していた。日玖は、残る600億円の返済繰り延べ交渉に入る。

 イランのハッサン・ルハーニー大統領は19日クーバを公式訪問、ラウール・カストロ国家評議会議長と会談した。両首脳は17~18日、ベネスエラでの第17回非同盟運動首脳会議に出席していた。大統領はフィデル・カストロ前議長を表敬した。

 一方、ワシントンポスト紙は19日、米玖国交再開は本質的に米大企業と玖軍部の協力関係であって、玖人民の基本的人権は優先されていないと指摘。「こうした関係は革命前の米政府とバティスタ政権との関係を想起させる」と述べた。

 同紙は、「米国人は昨年16万人が訪玖、ひとり50ドルの観光許可証を取得したが、計800万ドルに及ぶ」と前置きし、「外貨不足に悩むクーバにとって、これは決して小銭ではない」と書いた。

 また、観光など玖経済の大きな部分を軍部が握っている実情に触れ、「玖民間強化支援というオバーマ大統領の対玖国交再開目的に照らしてどうだろうか」と、問題提起している。

★ラ米短信  南部共同市場(メルコスール)の伯ウルグアイ亜パラグアイ4カ国はニューヨークで外相会議を開き、10月10~14日ブリュッセルで同市場と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉を再開することを決めた。

 メルコスール加盟国のベネスエラは外相会議に招かれなかった。テメル伯政権は、同市場からのベネスエラ排除を目指している。