2016年11月21日月曜日

ベネズエラ大統領がトランプ氏に良好な関係を呼び掛け

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は11月20日テレビ定例番組で、ドナルド・トゥランプ次期米大統領と相互に敬意を払い合う良好な関係を築きたいと述べ、ブッシュ・オバーマ両政権下で悪化した対米関係を立て直したい意欲を示した。両国はチャベス前政権下の2010年以来、互いに大使を置いていない。

 マドゥーロ大統領は、「ベネスエラとの関係上、ブッシュ(前米大統領)は重大な過ちを犯した。オバーマはさらに悪化させた」と指摘。2002年の米政府支援によるチャベス政権打倒クーデターの失敗を示唆、「オバーマは去年3月、ベネスエラを<米国の脅威>と政令で決めつけたまま撤回していない」と非難した。

 続けて、「最近も政令撤回をオバーマに求めた。このままでは、あのような(愚かな)政令を発した大統領として政権を終えることになる」と述べ、「オバーマと堅固な関係が築けず失望していたが、トゥランプ次期大統領とは敬意を払い合う関係を築きたい」と強調した。

 マドゥーロは、「今年5月にトゥランプ勝利を予測していた。米国民が新自由主義と飢餓賃金にうんざりし、反ヒラリーに向かっていたからだ」とも述べた。

 またリマでのAPEC首脳会議に出席していたオバーマが若者たちとの会合で「ベネスエラ政府は法治を尊重していない」などと語ったことに触れて、マドゥーロは「馬鹿げた発言だ」と一蹴。「ベネスエラは日々に底辺から深い民主を築いている」と述べた。

 この20日、ベネスエラ政府は国営メディア、左翼メディア、インターネットなどを動員し、「べネスエラ不滅の心」と名付けた、反ベネスエラ宣伝への反撃運動を開始した。

 通信・情報省は、米国主導で内外大手メディアが展開している意図的な反ベネスエラ宣伝報道は「非通常型侵略」であり、これにに反撃する運動、と説明。

 マドゥーロ大統領は、「逆境に対する人民の闘争を世界に示す。この運動はベネスエラの真実、微笑するベネスエラ、働き愛し闘うベネスエラ、邪悪な右翼勢力に勝利するベネスエラを表す」と述べ、発破をかけた。