2016年12月17日土曜日

ベネズエラのラ米医科大を第三世界医学生が新たに巣立つ

 カラカスにあるラ米医科大学(ELAM=エラム)サルバドール・アジェンデ分校に学んでいた318人が12月16日、卒業した。第4期生で、同期卒業生は1117人に達した。

 ELAM本校はクーバにある。この分校は2005年、故フィデル・カストロ議長と故ウーゴ・チャベス大統領が話し合い、創設した。この日、卒業式で訓辞を述べたニコラース・マドゥーロ大統領は、フィデルとチャベスの功績を讃え、これを模範とするよう諭した。分校卒業生は3万人を超えている。

 今回卒業した医学生の国籍は多様だ。ラ米はボリビア、エクアドール、ペルー、パラグアイ、アイチ、ニカラグア、エル・サルバドール、オンドゥーラス、メヒコ。アフリカはアンゴラ、ギネビサウ、カボヴェルデ、モサンビーク、シエラレオーネ、セネガル、ナイジェリア、ケニア、エティオピア、リビア、アラブ・サハラウイ共和国。他にパレスティーナと南米ガイアナ。

 留学生たちは貧しい家庭出身。卒業生は帰国後、無医村や寒村の医師となる。クーバの「医療保健国際主義」の思想が生かされている。

 一方、ベネスエラでは通貨ボリーバル・フエルテ(bf)の旧紙幣を新紙幣と交換する作業が続けられているが、交換所が少なく長蛇の列ができて、各地で混乱。数か所で怒った市民らが商店やスペルメルカードを略奪する事件が起きた。

 政府は交換期間を延長し、混乱回避に努めている。今回の措置は、世界最悪とも言われる超インフレに対処するため高額紙幣を流通させることにしたもの。

 ブエノスアイレスの亜国外務省前で起きたデルシー・ロドリゲス外相をめぐる小競り合いに関し、ベネスエラと亜国の罵り合いが続いている。マウリシオ・マクリ亜大統領は16日、ベネスエラ指導部を「卑怯者」と非難した。