2016年12月22日木曜日

中米首脳会議が統合のため改革加速で合意

 中米統合機構(SICA、加盟8カ国)は12月20日マナグア市で首脳会議を開催。同機構の抜本的改革の必要性をめぐって議論が交わされた。議長を務めたニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、「世界経済の全球化は待ってくれない。我々中米が改革を急がねば」と強調した。

 半年交代の輪番制議長国はニカラグアからコスタ・リカに移行。ルイス・ソリース大統領の代理として出席したエリオ・ファジャス副大統領は、コスタ・リカも新議長国として中米統合強化に務めると述べた。

 オルテガは、中米と韓国の自由貿易協定(FTA)交渉が終わり、来年半ば調印する運びとなった、と伝えた。

 米国に多くの出稼ぎ労働者を送り込んでいる「中米北部三角形」と呼ばれるグアテマラ、エル・サルバドール(ES)、オンドゥーラス(ホンジュラス)は、メヒコと連携して、トランプ次期米政権の移民政策に対応する措置を講じつつあると明らかにした。

 グアテマラのジミー・モラレス大統領はオンドゥーラスとの関税98%の同盟化が済んだとし、両国国境を来年中に開放すると言明した。両国を結ぶ航空路も従来の割高な国際線から安い国内線扱いにする計画も検討されている。

 会議はオルテガが「マナグア宣言」を発表して閉会した。会議にはドミニカ共和国のダニーロ・メディーナ大統領、ESのサルバドール・サンチェス大統領も出席。パナマからはイサベル・サンマロ副大統領、オンドゥーラスは外務閣外相、ベリーズはニカラグア駐在大使がそれぞれ出席した。

▼ラ米短信  ◎エクアドール次期大統領に政権党候補有力か

 エクアドール(赤道国)では2017年2月17日、次期大統領選挙が実施される。当選には過半数得票、もしくは得票率40%で2位に10ポイント差を付けること。該当者がなければ、上位2候補が4月2日の決選に臨む。

 12月20日現在、約10人の出馬予定者のうち、ラファエル・コレア現大統領の政権党「パイース同盟」候補レニーンモレーノ元副大統領(63)が有利に選挙戦を進めている。2番手は、「機会創設運動」のギジェルモ・ラッソ元グアヤキル銀行頭取(61)。続いてキリスト教社会党(PSC)の女性候補シンシア・ビテリ(51)。