2017年7月25日火曜日

 マドゥーロ・ベネスエラ大統領が、CIAはメキシコ、コロンビア両国と組んで同大統領の政権打倒を策謀と糾弾。両国は否定▼ボリビア大統領は過去のクーデター計画への米政府関与を確認▼FARCが9月、コロンビアの政党に移行へ

 7月24日は、解放者シモン・ボリーバル(1783~1830)の234回目の生誕記念日。マラカイボ湖水軍に始まるベネスエラ海軍の創立記念日でもある。ニコラース・マドゥーロ大統領はこの日、ラ・グアイラ軍港にある海軍士官学校で、海軍部隊行進に先立ち演説、30日の制憲議会(ANC)議員選挙を念頭に、「ベネスエラ史上、決定的な週を最高の形で始めることができた」と述べた。

 大統領は、「勇気、勇敢、愛国の一週間にしよう。挑戦に応じ選挙で責任を果たそう」とベネスエラ人民に呼び掛け、「一週間後には、平和、主権、独立、憲政を保障するANCが開設される」と強調した。

 さらに、米政府の諜報・謀略機関である中央情報局(CIA)のマイケル・ポンペオ長官が最近コロンビアとメヒコを訪問し、両国政府と協力してベネスエラ政権を倒そうと話し合った明かした、と糾弾。米コロンビア墨3国政府に同長官発言をめぐる真意を質した。

 またサムエル・モンカーダVEN外相も24日、CIA長官に関しマドゥーロ大統領と同様に発言。さらに、VEN反政府勢力は今週、外部機関と連携して暴力を激化させようと策謀している、と保守・右翼野党連合MUDを非難した。米国べったりのルイス・アルマグロ事務総長が仕切る米州諸国機構(OEA)は、26日ワシントンでベネスエラ情勢をめぐり大使会議を開こうとしているとも指摘した。

 コロンビアとメヒコの外務省は24日、「CIAとの共謀」というベネスエラ政府の非難を、事実でないと否定した。

 米政府やOEA保守・右翼勢力の支援を受けているMUDは、ANC選挙を阻止するため、26、27両日、首都カラカスをはじめ各地で自動車道封鎖など、街頭行動を展開する予定。

 カラカスの米大使館は逸早く23日、ベネスエラ在住の米国人に対し、26~27日の反政府行動に備え、食糧と飲料水を少なくとも3日分確保しておくよう通達した。また、反政府行動に参加しないよう勧告した。

 一方、ベネスエラ政府とMUDの間で対話仲介の労をとっているホセ=ルイス・ロドリゲス=サパテロ前西首相は23日カラカス入りし、24日、自宅軟禁処分されているMUD極右指導者レオポルド・ロペスとロペスの自宅で会談。ロペスは、ANC開設反対を伝えた。

 カラカスは25日、建都450年を迎えた。最初の都市名は「サンティアゴ・デ・レオン・デ・カラカス」だった。

▼ラ米短信    ◎ボリビア大統領が米政府のクーデター計画加担を確認

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は7月24日ラパスで、米政府は2006~09年、同大統領の政権を倒すため、米国際開発局(USIAD)を通じてボリビア反政府勢力に資金400万ドルを渡すなどクーデター計画を支援した、と明らかにした。

 米国の陰謀加担は既に明らかだったが、大統領は、ウィキリークス情報で確認された、と述べた。06~09年はブッシュ息子政権末期からオバマ政権初年度にかけての時期。

 ブッシュ息子政権は02年4月、当時のチャベスVEN政権打倒のクーデターを画策して失敗。オバマ政権はセラヤ・ホンジュラス政権、ルーゴ・パラグアイ政権、ルセーフ伯政権打倒に成功した。

▼ラ米短信    ◎FARCが9月、政党に

 武装解除が済んだ元ゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)のイバン・マルケス司令ら最高幹部は7月24日ボゴタで記者会見し、FARCは9月1日、政党になると発表した。7月23日からボゴタで幹部61人による「国民和解会議」を開催中で、26日に政党綱領を策定する、と明らかにした。

 一方、もう一つのゲリラ組織ELN(民族解放軍)は7月24日、赤道国首都キト郊外で、コロンビア政府との和平交渉の第3期交渉に入った。